【撮影技術】帯広空港で『星の光跡』と『飛行機の光跡』を同時に撮る方法

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帯広空港

  • カメラ       :Sony α700
  • レンズ       :Sony DT 16-105mm f3.5-5.6
  • 絞り        :f9.5
  • 露光時間      :2,279 seconds
  • ISO         :200
  • 焦点距離      :16mm
  • ホワイトバランス  :Auto
  • フィルター     :None
  • 日付        :November 30 , 18:28pm

 

[st-kaiwa1]ナニがどうなってるのかサッパリわからないけど、迫力がある写真だなぁ[/st-kaiwa1]

 

[st-kaiwa3 r]これは『光跡写真』と言って、『星の光跡』と『飛行機の光跡』を同時に撮った写真なんだよ。[/st-kaiwa3]

 

こちらの写真は帯広空港で撮った、星の光跡を背景に着陸機を正面から写した写真です。

合成ではなく1発撮りです。

 

そもそも光跡写真とはどのようなものなのか

こちらの写真のように種類の違う光跡をどのようにして一回のシャッターで撮ることができるのか

なぜ帯広空港なのか

これらについて、わかりやすくご紹介していきます。

 

この写真は、『星景写真は専門外』の私が写真をはじめて1年半後に撮ったものです。

知識や技術は無くても撮ることができます。

安心して読み進んでください。

 

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Index

光跡写真とは

光跡写真というものをご存知でしょうか。

光がまるで水や川の流れのように光の筋になって表現されている写真です。

 

 

代表的な3つの光跡撮影

このような写真を見たことのある方も多いと思います。

 

■走る車のライトを追った光跡写真:

大阪・阪神高速のあるパーキングエリアから撮った、走りゆく車のライトを20秒間の露光で撮った光跡写真です。

深夜の大阪、高速道路の光跡

 

 

■頭上を飛ぶ飛行機のライトを追った光跡写真:

東京ゲートブリッジの真上を飛ぶ旅客機の光跡を64秒間の露光で撮った光跡写真です。

関連記事:若洲海浜公園から撮る橋と飛行機の光跡

東京ゲートブリッジと飛行機の光跡

 

 

■日周運動を利用して撮った星の光跡写真:

富士山の真上にある北極星を中心に2,700秒(約40分)前後露光して撮った星景写真です。

富士山と星の光跡写真

写真というのは、星と風景を一緒に撮った写真のことで、星だけを撮った写真は星写真と言います。

このような『日周運動』を意識して撮った写真は、『星グル写真』などともよばれることがあります。

星グル写真や星景写真に特化した撮影者も多く、上級者になるとワンボックスカーをまるまる一台 撮影の機材車として活用している強者も少なくありません。

本格的にこの分野に足を踏み入れると、深い知識や熟練した技術はもちろん、撮影機材も大型で高額なものがいくつも必要になってきます。

それだけ魅力のある撮影分野だということがいえます。

 

もちろん私が撮るレベルの星景・星グル写真では、そのような技術や機材は不要です。

なので安心して読み進めてください。

こちらのナンチャッテ星景写真は、私が写真を趣味にし始めて8か月経ったあたりに、見様見真似で撮った一枚です。

 

 

光跡写真とは

光跡写真のイラスト

シャッタースピードという言葉があります。

カメラのシャッターを開いている時間のことです。

明るい日中に撮る写真は、シャッタースピードを速くして撮ります。

周囲が明るいのでシャッタースピードが遅いと光を取り込みすぎてしまい白とびしてしまうからです。

ほとんどの場合、カメラが自動的にシャッタースピードを決めてくれるので意識する必要はありません。

 

夕方になると周囲(環境光)がだんだんと暗くなっていきます。

光が少なくなるにつれて、シャッタースピードを長めに設定しないと撮っても何も写っていないような事になってしまいます。

シャッターを開く時間を長くとることで、少ない光をカメラに集めて被写体がちゃんと写るように設定する必要があります。

 

そして夜になると、周囲は真っ暗です。

家には明かりがともり、車はライトしか見えない状態になります。

照明やライトが点いても、写真を撮るには光の量が足りません。

夕方以上に長い時間、シャッターを開いている必要が出てきます。

シャッターを開いているあいだ車が停車していれば、写真には『光の点』や『丸い光』として写ります。

明るい光は写りますが、車体は写りません。

シャッターを開ているあいだに車が走っていれば、ヘッドライトの『点』が『光のライン』として写りこむことになり、それが『光跡』、つまり光の軌跡となって写真に写りこみます。

光跡写真のイラスト

 

 

 

 

星の光跡

星の光は弱い光のため、長い時間シャッターを開けて撮る必要がある

 

星の光は建物の照明や車のヘッドライトなどと比べてとても弱い光です。

弱い光のため、薄い雲や僅かな霞、街明かりなどにも大きく影響が出てしまいます。

そのため、星を撮影する場合には、空気の澄んだ山の上や離島に出かけて、快晴のタイミングを見計らって撮影を行うことが多くあります。

空気の澄んだ場所で満点の星空を眺めていても明るすぎて眩しい・・ということはありません。

とても優しい光が輝いて見えるだけです。

その繊細な星の光を撮影するには、2つの方法があります。

  1. 明るいレンズで撮る
  2. シャッタースピードを長い時間開いて撮る(長時間露光)

 

 

シャッタースピードを長い時間開いて撮ることを、『長時間露光』と言います。

ここでは、②の長時間露光についてご案内をすすめていきます。

 

星の光を長時間露光で撮るということは、長い時間シャッターを開いた状態でいるということになり、数分~1時間を超えて撮ることもあります。

冒頭の写真では40分前後の時間をかけて長時間露光をおこないました。

 

そのような長い時間、シャッターを開き続けている間に、地球は自転しているために星が移動しているように見えます。

この『星の移動』を写した写真が日周運動を利用した『星グル写真』になります。

地球の自転

 

 

 

飛行機の光跡

飛行機の光跡は、車のヘッドライトと同じように撮ることができます。

飛行機には、ナビゲーションライトとよばれる3種類のライトが必ず備わっています。

飛行機のイラスト

正面から見た時に中央部には白いライト、右側には赤いライト、左側には緑のライトと、必ず決められています。

この光を長時間露光で写し取ることになります。

でも長時間露光といっても、星の撮影とは違って長くても1~2分程度です。

なぜかというと次の理由があるからです。

  • 星と違って明るく、白飛びしやすいため
  • 高速で飛んでいるので、写真のフレームに入っている時間が限られるため

 

 

目線に近づくほどナビライトの光量は明るさを増します。

また、飛んでくる飛行機の角度とカメラを向ける角度にもよりますが、カメラの画角(フレーム)内に飛行機の光跡が入っている時間は数10秒から長くても2分程度です。

カメラのシャッタータイミング

 

 

 

 

撮影条件と撮影に必要な道具

ここまででご紹介した通り、同じ『光跡』を撮るにしても、『星の光跡』と『飛行機の光跡』では、長時間露光を行う時間がまるで違ってきます。

 

2つの光跡の違いについて、おさらい

■星の光跡

星の光が弱いことに加え、日周運動を利用して撮るには、数10分の長時間露光が必要になります。

露光時間が長いほど光跡が長くなり、より美しく撮ることができます。

 

■飛行機の光跡

星の光と比べて光の量が多く明るいため、長すぎる露光では白飛びを起こしていしまいます。

そして、高速で移動している機体が狙い通りのフレーム内に収まる時間は数10秒~2分程度と短くなります。

 

条件が異なるとはいえ、長時間露光を行うためには手持ち撮影では無理なので、それなりの機材が必要になってきます。

 

 

撮影に必要な道具

必要な道具といっても、本格的に星野写真を撮る場合とは違って、高価なものは必要ありません。

必要なものは次の通りです。

  1. 三脚
  2. レリーズケーブルまはたリモコン

必ず必要なものはこれくらいです。

 

 

あれば便利なものはこれらです。

  1. 時間が見れるもの(時計・スマホ)
  2. レンズペンまたはレンズクリーナー(曇り止め)
  3. カメラカバー(結露対策、雨雪対策)
  4. レンズヒーター(結露防止)

 

 

 

 

撮影地について

 

リスクを意識しておく

星の光跡と飛行機の光跡を撮る場合は、大都市の空港ではなく、地方の空港をねらいます。

なぜかというと、大都市の空港では離発着が多過ぎるからです。

星の光跡を長く写し取ることを考えると、数10分の長時間露光を行う必要があります。

その間に、何機もの機体がフレームに入ってくるとうるさいだけの写真になってしまうからです。

 

地方空港、それも1時間~2時間に1機が飛来する程度の空港が適しています。

適していますが、次のようなリスクもあります。

  • 離発着の進入方向が変わるリスク
  • 時間通りに離発着しないリスク

 

ご存じのとおり、飛行機は風の向きによって離発着の方向が変わります。

スタンバイしている場所に期待通りやってこない恐れもあります。

飛来数の多い都市部の空港であれば、スマホのアプリを利用して推測できるケースが多いのですが、地方空港だとその時になってはじめてわかる事も少なくありません。

 

また、定刻どおりに飛来するとも限りません。

地方の空港になるほど、時間がずれるケースは多くあります。

季節や天候によっては、欠航となることもありますので、情報収集は常に必要になります。

 

 

現地での事前確認

どの場所で、どの方角からどのようなフレーミングで撮れるのか(撮りたいのか)を考えます。

まずは、明るい時間帯に現場を確認します。

確認のポイントは次の4つです。

  • 飛来する飛行機の導線上にあるのか
  • 近くに長時間車を停めておける場所があるか
  • 安全に三脚を立てられる場所があるか
  • その場所が違法や違反の恐れはないか

 

大前提として、飛行機の通り道の真下でできるだけ滑走路に近い場所を見つけます。

そして、長い時間の撮影が必要となるのでできるだけ近くに車を停めておくとなにかと便利です。

安全に誰にも怒られることなく落ち着いて撮影ができる環境をじっくりと探してください。

 

 

 

撮影方法

ここまでの準備が整ったら、あとは三脚にカメラをセットして撮るだけです。

コツはふたつだけです。

  • 初回で撮れると思わないこと
  • 星の光跡からはじまり飛行機の光跡で終わること

 

 

決して難しい撮影ではありませんが、条件を整えるための情報収集や環境づくりが必要になります。

どんな撮影でも同じですが、初回で狙い通りに撮れることはまず無いと思って挑んでください。

 

撮影の開始は星の光跡からスタートします。

飛来する時間を目安に20分~60分程度前に露光を開始し、あとはドキドキしながら飛行機がやってくるのを待ち続けます。

多少時間が前後しても、飛行機が頭上を通り越したら撮影を完了し、モニターで確認してください。

 

この手順を可能な限り繰り返すことで撮れ高が上がっていきます。

 

 

 

まとめ

今回は地方空港で星の光跡と飛行機の光跡を同時に撮る方法についてご紹介しました。

 

どのような光跡写真を撮りたいのか。

帯広空港で撮る光の軌跡 富士山と星の光跡写真 東京ゲートブリッジと飛行機の光跡

 

 

光跡写真が撮れる条件はどのような事なのか。

光跡写真のイラスト 光跡写真のイラスト

 

 

光跡の種類によってどのような準備が必要なのか。

地球の自転 飛行機のイラスト カメラのシャッタータイミング

この記事を参考に挑戦してもらえたら嬉しいです。

 

 

 

帯広空港周辺の写真

 

 

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帯広空港

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